無作為の作為は天下の大罪(金へんに 戈ほこを並べて 錢ぜにと読む…)法律に触れなければ何をしてもよい…と言う考え方が多くの権力者や社会的強者のなかにあるように思えるようなことが多すぎる。例えば、つい最近、ある人が裁判の被告人席で「私は天下国家を論じているのだ」とか何とか言っていた、と報道されたことがある。 天下国家を論じることは悪いことではないのだが、早急に結果を出すべき人たちがいつまでも結果を出さずに論じるだけ・・・ということこそ、国費の大きな無駄遣いではないのか、と、思いたくなるのは、私一人だけであろうか。 ある地方自治体では、自分の家から通勤している職員にも「住宅手当」が支給されている、ということが情報公開で分かったそうである。 権力者や社会的強者たちが、「象牙の塔」ならぬ、「大理石の塔」の中で、しっかりと甘い汁を吸っているように思えるような社会になってしまっているようにさえ思われる。 「無作為の作為」も天下の大罪であると思う。 東日本大震災は災害であっても、法律の定めが無いことを理由にその後の対応が遅いことも、権力者たちや社会的強者たちが犯している、それこそ「無作為の作為の天下の大罪」ではないのか、と思う。 もっとも、洋の東西を問わず、「無作為の作為の天下の大罪」を平気で犯す「指導者」と呼ばれる人々が多くなりすぎて、自浄作用すら働かなくなっているのが、世界の風潮であろうか。 そして、せめて日本だけでも、そうであって欲しくない、と思う。 ※ ※ ※ 『金へんに 戈ほこを並べて 錢ぜにと読む 字をみて悟れ 今の世の中』 ― 一休禅師 ― ※ ※ ※ 君子之徳風〔論,顔淵〕 「クンシノトクハカゼ」 【上たる人の徳は風の如く,下たる者皆其の風化を受くるをいふ。】 君射則臣決〔荀子〕 「キミイレバシンケツス」 【上の好む所は下必ず倣ふをいふ。】 厚味寔腊毒〔周語〕 「コウミハマコトニセキドク」 【腊は凾,味の厚き者は,其の毒すみやかなりとの義,重禄は禍を受くること速やかなる喩。】 両豆塞耳不聞雷霆〔鶡冠子〕 「リヤウトウミミヲフサゲバライテイヲキカズ」 【僅かに二粒の豆を以て耳を塞げば,雷の音も聞こえず,心,物欲に蔽はるるときは,道理を弁ずる能はざるに喩ふ。】 千金不死百金不刑〔尉繚子,将理〕 「センキンハシセズヒャクキンハケイセラレズ」 【多額の金を使へば死刑徒刑にても免れ得られる,地獄の沙汰も金次第。】 ・ ・ ・ 博文約禮〔論,雍也〕 「ハクブンヤクレイ」 【ひろく文を学びて事理をを究めてしめくくるに禮を以てすれば,正しき道に背くことなしとの教。】 名者実之賓〔荘,逍遥遊〕 「ナハジツノヒン」 【名誉は実際の徳ありて,はじめて来るををいふ。】 ・ ・ ・ |